トイレのしつけ

 便を食べてしまう行動を食糞症といい、自分自身の便だけでなく、他の犬や猫の便まで食べることがあります。このような行動の原因については、まだはっきりと解明されていないのですが、ある種の栄養欠乏状態を犬自身が補おうとするため、またはストレスや飼主の気を引くためなどの行動学上の問題があるのではないかといわれています。寄生虫などの感染の問題があり、人の顔や手を舐めたりすると衛生的にもよくないので、まずは、動物病院で健康診断と栄養(食事)指導を受けられることをお奨めします。
 そこで、問題行動の対処方法のひとつとして、その行動・行為を禁止してしまうということがあります。これは絶対にしては行けない、タブーであるということを犬に憶えさせるわけです。その行動がいけないことなのだと教えるのですが、このときに重要なのは、犬が叱られていることを理解しているかどうかです。愛犬が排泄物を口にしているという不快感から、飼主が必要以上に騒いだり、逆に、何も言わずに見なかったことにしたりしては、犬はいけないことだということがわかりません。断固としてその行為を止めさせるという飼主の強い意志が必要です。

 もうひとつは、問題となる行動をすることによって、犬自身が嫌な思いをするようにします。方法としては、犬が便をたべている時(口を付けようとしている瞬間が効果的)に小石を投げたり、水鉄砲などで水をかけたりします。この時、飼主がやったのだと気づかせないようにして、便を食べている間中、続けてください(あくまでも天罰であるかのように)。これをくり返すことで、犬は必然的にその行動を避けるようになります。他には、便に唐辛子やタバスコなどをまぶしておき、わざと食べさせる方法もあります。
 どんな問題行動にも言えることですが、解決方法というのは、その犬の性格、飼育環境、飼主との関係などによっても異なってきます。時間も労力もかかる場合がほとんどです。愛犬の行動をよく観察され、性格を考え、できそうなこと、効果がありそうなことから始めてみてください。

仔犬のしつけ教室
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