病院トピック

〜 明大前動物病院日記 〜

ガトの捜索記 その4 2007年07月23日(月)

  9日目:6月17日(日)晴れ
捜索/午前1:30〜3:00 6:30〜7:30 
19:00に猫探偵さんがバイクで現れました。自己紹介もそこそこに捕獲機のセットの仕方など説明を受け、続いて直接捕獲した際の洗濯ネットへの入れ方など実践しながら教えて頂きました。また私のガトを呼ぶ声を録音し、探偵さんの捜索道具に。手作りの道具の説明と真摯な態度で充分理解でき、この時点ではっきり猫探偵さんへお願いする決心がつきました。

契約をかわし、20:00には逃がした場所と見失った付近で状況説明。電柱に貼るチラシの色合いからレイアウト、また貼り方にいたるまで指示をいただきました。流石プロと感心しました。
23:30まで3人で捜索。

10日目:6月18日(月)曇りのち晴れ
捜索/ 20:00〜24:00  猫探偵さんは朝6:00まで捜索  
チラシをA5(80枚)、A6(160枚)カラーコピーしポスティング
私は他に何か出来ることは・・・と猫が帰ってくるおまじない(3種類)をする。

11日目:6月19日(火)曇り
捜索/ 午前3:00〜6:00 15:00〜16:00 19:00〜20:00 
会社を休み終日捜索
猫探偵さんと22:00からのスタートでしたが、深夜と早朝の捜索の疲れがでて私はこの時間は休み、深夜がんばろうと自宅にいました。捜しに行かなくては見つからないとは解っていましたが、全く目撃情報がないため多少自暴自棄になっていました。(ダンナ様ごめんなさい。)

【保護の時】
22:30過ぎ主人から携帯に電話が。「ガトがいる!ガトに間違いない!ガト、ガト・・・ガト」と電話越しに呼ぶ声。
急いでその場に駆けつけた時にはガトは必死に大きな声で主人の呼びかけに応えておりそれは尋常ではない鳴き方でした。
ガトがいる場所は建物とブロック塀の間でとても人間が入れる場所ではありませんでした。
私はやっと見つかったという安心感と保護できなかったらという不安感でいっぱいでした。

それを察した猫探偵さんが「焦らず落ち着いて。時間をかけていいから今確実に捕まえないと」と。
「また必死に名前を呼ぶと猫は追われていると思い、逃げてしまうので間隔をあけていつも呼ぶように優しく名前を言ってあげて」とその時を的確にアドバイス。

色々な方向から回り込み、やっと私が目にしたガトは1.6mのブロック塀の上に「ニャア〜」と鳴いて座っていました。
「ガト・・・ガト・・・」と呼びかけゆっくり近づき、持っていた鰹の生節を差し出すと隣接していた階段の方へ寄ってきました。安心したのか喉をゴロゴロ鳴らしていました。

鰹を小さくちぎって階段の1段毎に下の段へ置くと喜んで食べてくれました。とにかく私の手が届くところまで近づかせ、夢中で食べているガトの右手を掴み一気に抱き寄せました。急いで主人が洗濯ネットを広げ、ガトを入れ無事に保護!
「ガト〜、ガト〜。・°°・(>_<)・°°・。」
すでに号泣していた私にガトが潜んでいたらしきお宅の方が「良かったね。」と声をかけてくださいました。
保護できた時刻は23:08でした。抱き上げたガトは少し軽くなっており、鳴きすぎたせいで声は枯れ気味でした。

決め手は電柱のポスターを見て頂いた方からの通報でした。
ガトを見かけた時、近くにあった電柱のポスターを剥がし電話をしてくださったようでした。
「黒猫で足が白だけど、大きくないよ。顔は確認していないけど。」と言っていました。幸いなことにこの方も猫好きらしく、主人が駆けつけるまで煮干しをあげて逃げないようにしていただいていたと聞きました。

発見場所は、重点エリアから外した場所でした。線路は渡らないのではと最初に思い込んでいたために、それほど巡回しなかった場所でした。(結果的には線路を渡っていたことになるのですが。)
それも見つかった場所は最初にケージから飛び出した所に近く、まさに皆さんのアドバイスの通りでした。

急いで自宅へ連れて帰りたかったのですが、探偵さんの儀式(保護した記念撮影)があり、すぐとは行きませんでしたが、一緒になって喜んでくださいました。
帰って来たガトの毛並みはバサバサ、白かった手足は泥だらけ、火傷を負っていた肉球はかさぶたになってかなり痛々しい姿でした。浴室に置いているいつもの水をすぐに飲みにいきました。しばらく膝の上で丸まり自分自身を落ち着かせているようでした。

保護出来たので猫が帰ってくるおまじないの1つ(「立ちわかれ いなばの山の 峯におる 待つとしきかば 今帰りこん」の句のうち上の句を紙に書き、エサを入れているお皿の下に置きます。帰って来たら、上の句を書いた紙に下の句を書いて燃やします。)を実行し完了させ、長かった捜索期間が終わりました。
 


- Web Liberty -